2006年 07月 10日
マルコ物語 4 |
避妊手術を受けたとき、マルコの腹の中にはすでに子供が何匹か入っていたことが分かった。が、産ませてはやれなかった。父親はやっぱりフクだったのだろうか? フクは、その後もたまに顔を出していたが、二三ヶ月後に交通事故で死んだ。偶然ヤツガレが路上で発見して、ayumqと二人で埋葬した。
マルコは、徐々にこの家の生活に、馴染んでいった。とりわけティピとの関係は日を追うごとに急速に親密になっていった。いつのまにかティピが偉そばってきて、マルコを従えるようなかたちになってしまった。立場逆転というか、年功序列からいえば本来のかたちに戻ったのだが、、、。これは、主にティピの性格に由来すると思われる。
ティピは、甘やかされて育ったから、自己中心的でワガママである。それがいいかどうかは別問題として、それにつきあっているうちに、マルコは本来の持って生まれた性格が開花したようだった。一言でいえば、マルコは『けなげな娘』であった。ティピと遊ぶ時、食事のとき、ayumqとの関係などを見ていてたびたびそう思わされた。床下からこちらを窺っていたあのギラギラとした、猜疑心に満ちた目は、ひとえに生死をかけたギリギリの生活がもたらした結果である。
そしてそんな時代に与えた仕打ち故、ヤツガレとの関係はなかなか修復されなかった。ヤツガレこそが、一度ならず二度までも、マルコに人間不信を植え付けた張本人だったからである。いつも善かれと思ってやっているのに、思えば損な役回りだとも思うのだが、ヤツガレ、単細胞で勇み足がちなのもまた認めざるを得ない事実である。
いつかは、赤子を抱いてあやすように、胸に抱き上げてみたいと願ったが、最後まで完全に心許すことはなかった。
マルコは、徐々にこの家の生活に、馴染んでいった。とりわけティピとの関係は日を追うごとに急速に親密になっていった。いつのまにかティピが偉そばってきて、マルコを従えるようなかたちになってしまった。立場逆転というか、年功序列からいえば本来のかたちに戻ったのだが、、、。これは、主にティピの性格に由来すると思われる。
ティピは、甘やかされて育ったから、自己中心的でワガママである。それがいいかどうかは別問題として、それにつきあっているうちに、マルコは本来の持って生まれた性格が開花したようだった。一言でいえば、マルコは『けなげな娘』であった。ティピと遊ぶ時、食事のとき、ayumqとの関係などを見ていてたびたびそう思わされた。床下からこちらを窺っていたあのギラギラとした、猜疑心に満ちた目は、ひとえに生死をかけたギリギリの生活がもたらした結果である。
そしてそんな時代に与えた仕打ち故、ヤツガレとの関係はなかなか修復されなかった。ヤツガレこそが、一度ならず二度までも、マルコに人間不信を植え付けた張本人だったからである。いつも善かれと思ってやっているのに、思えば損な役回りだとも思うのだが、ヤツガレ、単細胞で勇み足がちなのもまた認めざるを得ない事実である。
いつかは、赤子を抱いてあやすように、胸に抱き上げてみたいと願ったが、最後まで完全に心許すことはなかった。
by konchikusho
| 2006-07-10 08:55
| ファミリー