2011年 05月 05日
帰郷初日、二日、三日 |
「おっかさん、忠太郎でござんす」。古い! 誰も知らない。私でさえもよく知らないのだが、これはその当のおっかさんから受け継いだネタ(「瞼の母」)である。何しろ新しいことはもう頭に入っていかないらしいので、毎回おんなじセリフのくりかえしだなあ。そもそもアナタの息子の名前は忠太郎じゃないし、しかも今回の帰省はそんなに久しぶりではない。今年の一月には本家筋の法事があって帰ってきてたんだけどね。まあなんでもいいや、ただいま〜、とにかく帰ってきました。
着いたそうそうやったことはというと、花見である。近くの公園に行って親子水入らず、まあこんなことは最初で最後でしょ。 桜は満開。それでもここにもあそこにも、放射線はまんべんなく降り注いでいるのだろう。それなのになぜまたよりによってこんな時、わざわざ外出して有毒物を体いっぱい浴びなければいけないのか? 当家の偏屈、反骨の家風のなせる業である。私を含めて、体細胞の成長が止まっってしまった高齢者にはもう直接の影響は少ないというのだが。
父も母もここ数年でずいぶん老けた。年齢的にしかたないこととはいえ、哀ないことではある。
翌日は、二ヶ月に一度の定期検診のために病院に行く父を車で送る。普段はスクーターを愛用し、病院やら買い物やらに行くと言うが、そもそも足腰にガタがきて日課だった散歩も止めた筈である。二輪車だってよっぽど危ない。とくに発車時、停車時なんて大丈夫かなあ。私が家にいた十代の頃は、封建的で酒を飲んでは家父長づらをして、息子としばしば衝突した男。息子もずいぶん大人になったが、オヤジのほうがすっかり爺サンになってしまった。喧嘩にもならない。
その翌日は、今度は母を病院へ。震災以来、めっきり調子を落としてしまった。つねに何かに捕まっていないと「コワイ」と言う。こちら福島弁(東北弁)では、「コワイ」というのは「怖い」という意味の他に「疲れた」という意味がある。本人は後者の方の意味で使っているらしいが、「コワイ、コワイ」と連発されると、なんだかおっかなびっくり生活しているように錯覚する。でも本当のところそれもあるんじゃないかなあ。ここ数週間のストレスからか、言動にどことなく変調をきたしている。胃カメラ呑んで血液検査して、MRIも撮ったが異常なし。それでも自分の変調に自覚症状があるらしい。わたしは、ある一つの可能性をおそれていた。
着いたそうそうやったことはというと、花見である。近くの公園に行って親子水入らず、まあこんなことは最初で最後でしょ。
父も母もここ数年でずいぶん老けた。年齢的にしかたないこととはいえ、哀ないことではある。
翌日は、二ヶ月に一度の定期検診のために病院に行く父を車で送る。普段はスクーターを愛用し、病院やら買い物やらに行くと言うが、そもそも足腰にガタがきて日課だった散歩も止めた筈である。二輪車だってよっぽど危ない。とくに発車時、停車時なんて大丈夫かなあ。私が家にいた十代の頃は、封建的で酒を飲んでは家父長づらをして、息子としばしば衝突した男。息子もずいぶん大人になったが、オヤジのほうがすっかり爺サンになってしまった。喧嘩にもならない。
その翌日は、今度は母を病院へ。震災以来、めっきり調子を落としてしまった。つねに何かに捕まっていないと「コワイ」と言う。こちら福島弁(東北弁)では、「コワイ」というのは「怖い」という意味の他に「疲れた」という意味がある。本人は後者の方の意味で使っているらしいが、「コワイ、コワイ」と連発されると、なんだかおっかなびっくり生活しているように錯覚する。でも本当のところそれもあるんじゃないかなあ。ここ数週間のストレスからか、言動にどことなく変調をきたしている。胃カメラ呑んで血液検査して、MRIも撮ったが異常なし。それでも自分の変調に自覚症状があるらしい。わたしは、ある一つの可能性をおそれていた。
by konchikusho
| 2011-05-05 06:52
| 生(所感、雑感)